梶原靖元さんのうつわ2
十月十日、川越のギャラリー『うつわノート』さんで手にした「梶原靖元」さんの黒盃です。写真では真っ黒に見えますが、実際はダークチョコレートの如くトロリとした流れが素敵な鉄釉です。他の鉄釉の器は見事な漆黒でした。
焼成温度が関係してるのかも知れません。お聞きすれば良かったのですが人見知りなもので…
梶原さんの仕事の話はうつわノートの店主が詳細に記述してますのでそちらをご参照下さいませ。
「唐津の地で作陶するからには、唐津風ではなく唐津焼を作りたい。」と仰っていたのがとても印象的でした。
「土も釉薬も雑じり気のない単体からつくり薪窯で焼く」古の人々がそうしたであろう技を梶原さんなりに一つ一つ紐解きながらの作業だそうです。「様々なルートから取り寄せてたものではなく、唐津の地にあるものだけを使ってこそ本来の唐津焼に近づけるのではないか。」そうも仰ってました。
「色は混ぜれば混ぜる程に濁りを増していく。シンプルに単体のみを使えば本来の色が出せるのではないか。立体だからと言って陰影を用いて描かずとも線と色のみを用いて平面の中に描けば良い。せっかくの美しい色を敢えて濁らせる必要はない。」学生時代に言われたことをふと思い出しました。
分野は違っても究極を求めると自然と辿り着く答えなのかも知れません。「装飾を施すことよりも装飾なきシンプルなものこそ最もむずかしい」要するに一切の誤魔化しが効かないと言うことです。
僕も人生を複雑に考えるあまり迷路を歩んでいるような気がします。「日々をシンプルに過ごす」勝手にそう誓ってみました:-)
by waninogena2
| 2015-10-25 17:54
| うつわ