打田翠さんの展示1
昨日に続く昼下がりの雨上がり、ローカル線の車窓を流れる何気ない景色に心癒される。ひんやりした秋気が視界の内側を月白のベールで包み込んでいた。薄藍色の山並み、黄色みはじめた丘陵、青々としていた田畑は蒸栗色に染まりはじめている。さあ、紅に染まった美味しい果実の収穫だ。
十月九日、川越市内にあるgallery『うつわノート』さんで最終日を迎えた「打田翠展 ウ゛ィーナスの果実」で後れ馳せながら収穫してきました。
landscapeと呼ばれるシリーズは、箱の中の器体を籾殻に沈め、電機窯で一気呵成に焼成します。酸化か還元かによって景色はガラリと一変するそうです。籾殻の痕跡がシンプルな器体の中に心地好いリズムを打ち出してます。
滲むように広がる貫入やエロティシズム溢れる窯変がうつくしいRAKUと呼ばれるシリーズ、グラデーションが織り成す景色が素敵な練り込み、等々、見所いっぱいのウ゛ィーナス空間がそこにありました。もうこれ以上は食せません。
で、僕が持ち帰った禁断の果実はと言うと、内容は次の記事まで持ち越しなのです。まだ写真に収めてませ~ん :-)
駅ビルの向こうに陽のほとんどが沈み込み、ムクドリの群れが寝床に戻ってくる時間。たっぷり休養したら、次は何処に飛び立とう。
by waninogena2
| 2016-10-09 18:10
| 展示