益子の雲の中へ3 いつか見上げた空に 編
ヒラヒラと散り、うつくしい緑が開くこの季節。一雨ごとに灰色のベールが剥がされて、雲が白く切れてゆく。東西南北に散らばる点と点を結び続けた二泊三日の益子の旅もいよいよ佳境を迎える。
四月一日、益子の中心部を離れた山間部にあるgallery『もえぎ 本店』さんに向かう途中、偶然見つけた「大倉神社」と「綱神社」で旅の祈願も兼ねて朝の素敵な時間を楽しんだ。手入れの行き届いた社は、小さいながらも荘厳な空気に包まれている。「また来ます。」と一言残して。
樹々に囲まれた自然の中に建つ二棟。それぞれに違う顔を持つ展示スペースとロッジ側に併設されたカフェ。この土地のこの場所だからこそ出来ることがある。
昨年オープンした『道の駅ましこ』に立ち寄り、美味しい焼きカレーと珈琲で一息。また来よう。
益子で最後に訪れた作家さんの工房で、大きな雲海に包まれた二時間。陽は留まることなく刻々と傾きを増す。
【ゼーゲルコーン】
目的温度の付近でやわらかくなる数本のコーンを炉内に立てて、頂部が台につくまで曲がったものの番号である程度の温度を知ることが出来る。正確な温度測定というより、炉内の焼成効果の程度を知るのが目的で、窯業でよく使われる。
閉店間際に到着したつくば市内にあるgallery『manufact jam 』さんで、店主である「古橋真理子」さんと楽しくお話をしながらの器選び。旦那様は木工家の「古橋治人」さん。益子は言うに及ばず、各地の作家から選りすぐられた逸品が揃う。ドキドキとワクワクが止まらない。
この旅で持ち帰った器たち、新旧交えた四人の作家の計七点。
差し込んだ細く長い一本の光を手繰り寄せることから始まった今回の旅。空に浮かんだ薄い灰色のベールは緑の風に吹かれた。広がる空から差し込む幾筋もの光を手繰り寄せて何処へと向かうのだろう。僕たちの旅はまだ始まったばかり :-) ヨーイドン
by waninogena2
| 2017-04-24 14:58
| 旅行と散歩