名作が名作たる所以
やっと訪れた久し振りの休日。休息と洗濯とアイロン。外出は控えてひたすらのんびり過ごす。これから更に多忙を極めるであろう年内仕事に備えて。

うつわノートのブログから抜粋
付けっ放しのTVから流れて来た懐かしのメロディー。
言わずと知れた、ジョン・スタージェス監督によるバート・ランカスター主演の傑作西部劇「OK牧場の決斗」である。1881年10月に起こった史実を基に、1957年に独自解釈を加えて生まれた娯楽活劇。
現代映画には欠かせなくなってしまった派手なCGや大爆発も無ければ、小難しい台詞回しもない。カット割りや音楽、演出の全てが非常にシンプル。様々な情愛が絡み合いながらも、小気味良く刻まれる音楽と簡潔な台詞回しにどんどん引き込まれて行く。現代映画に有りがちな派手な演出とは無縁の simple is best を地で行く実直を絵に描いたような作品。不変の面白さがここにある。
映画に限った事ではないが、必要最低限の基本を身に付けた途端、技術や精神を伴わない華美な装飾に走る現代作家が数多くみられる。後世へ残る超絶技巧作品が一体どれくらいあるのだろう。ただやってみました的な作品は結局のところ人々の記憶から消えて行く。
古典に学び、血の滲むような研鑽の上にこそ、華美な装飾は本当の意味で生きて来るのではないだろうか。単に手先が器用なだけでは人々の記憶に残るような作品は生まれて来ない。あくまでも僕個人の見解。何も作り出すことの出来ない不器用でどうしようもない僕個人の。
極々稀に、基本も研鑽も無視した、とてつもない作品を世に送り出す作家が居ることも否めない。残念ながらそういった現代作家に出会ったことはまだない。

話を陶芸の舞台に移して、来る9月23日(金)~10月1日(日)、川越市小仙波町にあるgallery『うつわノート』さんにおいて「森岡成好 茶碗展」が開催されます。
和歌山県かつらぎ町で日々実直に作陶されている「森岡成好」さんの最新作品が150点ほど並ぶそうです。名前も作品も間違いなく後世に残るであろう氏の作品が一堂に会するこの機会を見逃す手はありません :-) タノシミ
by waninogena2
| 2017-09-21 15:39
| 展示