森岡成好さんの展示1
昭和レトロな小江戸巡回バスに右へ左へ揺られながら、五百羅漢で有名な喜多院の前で降りた。喜多院から程近い場所にあるgallery『うつわノート』さんで初日を迎えた「森岡成好 茶碗展」を訪れた。
和歌山県かつらぎ町で半世紀近く作陶されている「森岡成好」さんのうつわに初めて触れたのは今からおおよそ12年前。名前も存じ上げないままに南蛮焼〆茶碗を手に取ったことを覚えています。朴訥とした飾り気のない質感と静謐な存在感が、僕の中にスーッと真っ直ぐに入って来たのです。その時はお名前だけ紙に認めて帰路に就きました。
数多の轆轤を挽いてきたからこそのうつくしい器形、焼き抜いた先に現れる豊かな表情、大胆でおおらかに掛けられた釉薬、その全てが絶妙なバランスで一つ一つの作品に融け込んでいます。ゴツゴツ、しっとり、カサカサ、トロリ、どんな言葉をも受け入れてしまう懐の深さがあります。
一日一日を正面から受け止め、一分一秒を大切に過ごしてきたのでしょう。時代に流されない芯の強さは、人としても見習いたいものです。挨拶を一言交わしただけですが、やわらかな物腰とおだやかな表情、そして作品から十二分にその人と成りが伝わって来ました。
茶碗であっても日々の暮らしの中でガシガシと気兼ねなく使える本来あるべきうつわの姿。やきものの源流に触れた気がします。
一つ一つを掌に包んでじっくり選ぶ時間は、掛け替えのない貴重な瞬間となることでしょう :-)タノシカッタ
【森岡成好 茶碗展】
会 期 2017年9月23日(金) ~ 10月1日(日) 無休
時 間 11時 ~ 18時
在廊日 9月23日(土)・24日(日)
場 所 うつわノート
by waninogena2
| 2017-09-29 00:55
| 展示