光のステップに誘われて東京アート散策 山野邊孝・能登朝奈 夫妻の展示 編
窓一面に射し込んだやわらかな光に胸をくすぐられる。うつらうつらする僕の脳に畳み掛けるかの如く、目覚めついでによれたシャツにアイロンを掛けてみた。なんだか背筋も気持ちもシャンと伸びてくる。この勢いのままに出発してしまおう。
2018年1月7日、目白にあるgallery『FUURO』さんで開催されている「山野邊孝・能登朝奈 展」へ。
福島県いわき市で作陶されている「山野邊孝」さんは、主に灰釉の器を、「能登朝奈」さんは、パートドヴェールを。
以前よりお二人の実直な仕事に惹かれています。奇を衒わないそのスタイルは、昨今流行りの軽やかさとは一線を画していて、ややもすると何の変哲もない無個性になる危険性を孕んでいます。
使ってみると分かるのですが、これほど生活に寄り添い、盛り付けるもののうつくしさを引き出してくれる器も少ないのではないでしょうか。表面的な表現に走ることはつまり、自分が主役になることです。アートであればそれも良いのかも知れません。生活雑器として考えたとき、一番必要なのは主役ではなく脇役だと思うのです。
映画の世界に置き換えてみると、後々にまでイメージを残す主役俳優と同じくらい重宝されるのは脇役です。名脇役がいてこその主役とも言えます。
胎土や木灰選び、土地の関係上どうしても制限されてしまうこともあるようです。それでも、うまれた土地で作陶することに意味があるのかも知れません。正面を見据えた真っ直ぐな視線で丁寧に話されていた姿がとても強く印象に刻まれています。
【山野邊孝・能登朝奈 展】
会期 2018.1.6(土)-1.11(木)
時間 12:00-19:00 (最終日17:00まで)
在廊 6(土) 7(日)
場所 FUURO
次回は、妻でもあり作家でもある能登朝奈さんともじっくりお話してみたいと思います。重厚な造形と内に宿した静かな光、小さな遊び心がとても素敵でした。
二つの灰釉小鉢を買い足しました :-)ツカイヤスイ
by waninogena2
| 2018-01-10 12:39
| 展示