甲賀+伊賀のアートな旅路1 六花舞う茶のみやぐら 編
くすんだ水溜まりに薄墨を落としたような灰青色の空が広がっている。最強寒波の襲来のせいか雪曇の京都市内は閑古鳥が鳴いていた。僕たちはレンタカーに乗り込み、シフトレバーをDレンジに入れてゆっくりとアクセルを踏み込んでいった。


HPより抜粋
2月1日、甲賀市信楽町で作陶されている陶芸家の工房へ。しんしんと降り積もる雪の声に耳を傾けながら境内で挨拶を交わす。普段使っている胎土や型のある作業場では、近づく納期に合わせて急ピッチで制作が進められていた。そんなことなどお構い無しに丁寧に案内をして下さる。居間に通されるとお茶菓子まで出てくる有り様。ほんとうに有り難い。有り難くて涙が出てくる。
あーだこーだと会話する大人を尻目に、歯固めの代わりなのか父の器を小さな掌に包み込んで無心で食む姿に癒される。いつだって純粋無垢でキラキラな瞳は最強だ。
限られた時間の中で、現況、方向性、展望などを事細かに伺う。「それでは2020年に。」と謎の言葉を残して次なる目的地へとハンドルを切った。

いつも意外な方向から斬り込んで来る人がいる。独自の切り口はイマジネーションに溢れていて柔軟性に富んでいる。こんな文章が綴れたらといつも感心しながら拝見していた。何も連絡することなく気配を消して忍び足で店内へと飛び込んだ。
この旅では、ポケットから手を出すのが億劫なのか、シャッターを切る回数がいつになく少なかった。なので、写真も少ない。
場所は、日本最古の茶産地とも言われる霧深い山地にある信楽町朝宮。自分たちで育てた茶葉を自分たちの手でお客様にお届けするスタイル、所謂、自園自製自販。『㈲茶のみやぐら』の若主人こそこの日最後の目的地。
プリン3兄弟とネーミングされた中からほうじ茶と煎茶を選んだ。少し固めの生地、鼻に抜ける香り、口に広がる味、後味すっきりな大人プリン。

若主人の煎れた煎茶よりも熱い陶芸談義。結局はご家族を巻き込んでの器談義。唯一の心残りは、ここの御主人と話せなかったことくらい。兎にも角にもぬくもり溢れる一時を過ごせた。
帰り際、日常使いの朝宮煎茶と煎茶を焙じた実生在来ほうじ茶を。僕の家族は喜んでくれるだろうか。(後日、ティファール100度の熱湯を注いであちちあちちと言いながら、香りが良い香りが良いと騒ぐ母。。70~80度と言っても聞かないのだから熱いのは仕方ない。香りは飛んでいるはずなのだが喜んでいるのだから良しとしよう。)
ここから甲西にある宿までおよそ50分。ナビの不具合を言い訳に迷いに迷って到着予定よりも60分オーバー。京都府綴喜郡宇治田原町を経由、滋賀県大津市大萱にある瀬田駅を経由した次第。。
明日は、次なる目的地の甲賀市土山町へ :-)タビハツヅク
by waninogena2
| 2018-02-08 14:01
| 旅行と散歩