山野邊孝さんのうつわ1
ジリリリーン、ジリリリーン。なんて昔懐かしい着信音ではないのだけれども、知人から残暑見舞を兼ねて労いの電話が。なんとも嬉しく暑さ疲れもすーと消えてゆく。東欧買い付けの旅の話を楽しみにして頑張ろう。
鎬蕎麦猪口・蕎麦猪口 W85 D85 H60
なんとなく気になって、なんとなく使う。なんとなくまた気になって、なんとなくまた使う。そんな日常に何を想うでもなく繰り返す。ふと気がつくと、僕にとって、家族にとって、忘れられない一つに。
明快でやわらかな轆轤と深淵で素朴な表情。至って単純な形、複雑なことなど微塵も欠片もない。だからこそ万能で何時だって何処だってつい手に取ってしまう。
筒形の底深くを覗き込んでみる。
そこには果てなき宙(そら)が静寂に包まれて広がっている。土と灰が熱風の中でダンスしたであろう痕跡が其処彼処(そこかしこ)に静けさを含んで飛んでいる。澱みの中に沈黙の星屑が鏤(ちりば)められている。
福島県で作陶に励まれている山野邊孝さんのやさしくも凛とした器。
最近になって、ふわりとした轆轤が挽けるようになってきた。
最近になって、灰の中に幾つもの色を見出だせるようになってきた。
9月7日(金)からの5日間、西麻布にあるgallery『桃居』さんにて、「山野邊孝 能登朝奈」さん夫妻による二人展があります。お時間のある方は是非ご高覧下さいませ🌠
なんとなく手にする器とは相性が良い :-) ハズ
by waninogena2
| 2018-08-22 17:51
| うつわ