井本真紀さんのオブジェ1
夏の盛りに見る幾重もの硝子の重ねは、どこか脆く儚げげで、朽ち果てる一歩手前で確かに止まっている。パートドヴェール・キルンワークと呼ばれる技法で生まれる質感。 音は聴くだけでなく触ることもできるらしい。所謂、波動を捉えて肌で感じるということだろうか。
井本真紀さんの硝子にはなぜか触覚が反応することがある。実際に触れるのではなく、視覚で捉えた物体から音を感じ取れるのだ。シャカシャカ、バリン、クシャッ。
素材を通り越したその先に見えてくるもの。各々が描く心象風景こそが、崩れることなき唯一確かな存在なのかも知れない。
by waninogena2
| 2019-08-04 14:52
| オブジェ