すずきたもつ 陶展 - 後記 -
僕は立体が苦手だったと言う課題で挑んだすずきたもつ陶展は、12月22日(日)をもって無事に会期を終えました。
オブジェから始まった陶造形家としての道程は、決して平坦なものではありませんでした。植物から着想を得たオブジェは有機的な柔らかさとその愛嬌で多くのファンを魅了して止みません。しかし、ギャラリーで初めて発表した当初はただの1点もお客様の手に渡ることはなかったそうです。
おる時期からオブジェと呼応させるように器制作に取り組んでいきます。手捻りの強みを遺憾なく発揮した器表現はオブジェと付かず離れずの関係を形成しながら現在に至ります。
今展で初めて取り組んだ陶のランプシェードは、どちらかと言うとオブジェの領域に位置しているようです。力量を余すところなく注いだ作品の完成度は高く、光を取り込んだことで新たな領域への展望が広がっていくのかも知れません。
伝統的な窯業地の材料を用いながらも現代の息吹を絡め取った作品は、オブジェや器と言った固定概念に囚われる事なく更なる発展を遂げることでしょう。
陶土だからこそ可能となる造形表現の高みを目指して、すずきたもつさんは今日も小淵沢の工房で制作に勤しんでいます。
お待ち帰りになられました作品の数々が、皆様の日々の暮らしの中で健やかな時間をつくり出していくことを願いながら結びの言葉とさせていただきます。ありがとうございました。
すずきたもつ 陶展 - 僕は立体が苦手だった -
会 期:2019年12月14日(土)-12月22日(日)
時 間:11:00〜18:00
休廊日:19日(木) / 最終日 17:00まで
在廊日:14 日(土)、15日(日)、21日(土)
延 長:23日(月)-25日(水)
受験の日もそうだったように平面の方がなんとなく思い通りに描けた。どちらかと言うと立体をつくることは昔から苦手だった。
このことが逆転し始めたのはいつの頃だろう。芸大時代を振り返ってみても当初はまだ平面が好きだった。そんな僕が今では造形作家と名乗っているのだからなんとも面白い。
今回、初めて陶のシェードに挑んでみる。あたまの中に生まれたイメージをどう形にしていこう。この感覚こそが僕のたからもの。
by waninogena2
| 2019-12-29 19:26
| 展示