人気ブログランキング |

<   2017年 10月 ( 3 )   > この月の画像一覧

秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編

自由ヶ丘の歩行者天国から、電車を乗り継いで銀座の歩行者天国へ。人混みは本当に苦手なので一気に疲れが吹き出てくる。兎にも角にも、百貨店の上階へと移動すれば人が減るに違いない。落ち着いた空間がそこにあると願いながらエスカレーターへ飛び乗った。

秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_12003238.jpeg

10月8日の2件目、駅直結の銀座三越7階にあるgalleryで開催中の「野口悦士・中澤希水 二人展 ー 陶と書 ー」へ。土と墨が織り成す生活にも寄り添うアートな世界を楽しんで来ました。

秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_11592119.jpeg

書道家「中澤希水」さんは、濃淡や滲みと言った墨の持つ魅力を引き出しながら、抽象絵画を思わせる文字の形状や空間使いで紙上にのびやかに表現されていました。同じ空間には、心地好さそうに陶芸家「野口悦士」さんのうつわも並んでいます。代名詞の南蛮焼〆や白化粧だけでなく、新作の籾殻に埋めて焼いた焼〆やデンマーク白釉もあり見所いっぱいです。

籾殻の焼〆は、海底に100年沈んでいた鉱物を引き上げたかのような質感と色味で見る者を惹き付けます。デンマーク白釉は、胎土もデンマークのものを使い厚手の器体に厚手の釉薬を掛けたどっしりとした重量感で見る者を圧倒します。

今回、希悦と言う名称で絵付けの器も紹介されていました。野口悦士さんのおおらかな器体に、中澤希水さんののびやかな線で新たな
命を吹き込まれたコラボレーション作品です。(百貨店なので写真はNGでした。。)

秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_12011349.jpeg
秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_12080366.jpeg
秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_12013396.jpeg

3年前、たった1度会っただけなのに鮮明に覚えて下さっていました。これと言った特徴のない僕にとっては本当に驚きでした。

秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_12032921.jpeg
秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_12040088.jpeg
秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_12022223.jpeg

作家にとっての3年と言う月日の大きさを肌で実感しました。表現の幅は広がり、より豊かな世界を構築されていました。従来からある強さやおおらかさに加えて、より一層の遊び心や渋味で胸の内側をグッと鷲掴みされた感じです。ここに辿り着くのにどれ程の濃密な時間を過ごして来たのでしょう。形は違えど僕もうかうかしていられません。

秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_23121792.jpeg
秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_12102396.jpeg
秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_23074481.jpg
秋晴れの東京アート散策2 野口悦士さんの展示 編_f0351305_12104732.jpeg

この日は、まだまだ散策が続きます :-)ワクワク








by waninogena2 | 2017-10-09 23:04 | 展示 | Comments(0)

秋晴れの東京アート散策1 山田洋次さんの展示 編

先日までとは一転して好天に恵まれた。街を往く人々の歩幅も心なしか広がっている。胸に届く鼓動を感じながら人、人、人を掻き分けてまだ見ぬ風景を求めた。

秋晴れの東京アート散策1 山田洋次さんの展示 編_f0351305_10203938.jpeg

10月8日、世田谷区深沢にあるgallery『セントアイヴス』で開催中の「リサ・ハモンド&フレンズ」展へ。リサ・ハモンド氏の大英帝国勲章(MBE)受賞記念であり、英国と日本の陶芸界の橋渡しに賛同する企画です。これまで英国作家やソーダ釉の器に触れることが皆無に等しかった僕にとってまたとない機会となりました。

秋晴れの東京アート散策1 山田洋次さんの展示 編_f0351305_18435805.jpeg

この日は、「リサ・ハモンド」と師事する「山田洋次」、特別出展の「松崎健」、師事する「出嶋正樹」の四人が在廊していました。四人の作家を掻き分けて徘徊できるなんとも贅沢な空間でした。

秋晴れの東京アート散策1 山田洋次さんの展示 編_f0351305_10205880.jpeg
秋晴れの東京アート散策1 山田洋次さんの展示 編_f0351305_10215106.jpeg

本日の目的の一つ、山田洋次さんの代名詞でもあるスリップウェアや黄釉の中からじっくり吟味して選んだ飴釉の湯呑みです。新作の焼〆スリップウェアや線刻象篏がある中で、敢えて飴釉を選ぶところが天の邪鬼の本領発揮と言ったところでしょうか。

工房の裏山から採った無精製の原土を使っています。成形の苦労を厭わず、市販土にない荒々しさを手のひらを通して楽しまれているようです。原土と飴釉と鎬、この三つが反発することなく一つの作品の中に自然と溶け込んでいます。現代民芸には、日々の生活にスッと馴染む懐の深さと、洒落た空間でも浮くことのない格好良さのエッセンスが含まれています。

秋晴れの東京アート散策1 山田洋次さんの展示 編_f0351305_10383501.jpeg
秋晴れの東京アート散策1 山田洋次さんの展示 編_f0351305_10230336.jpeg

僕「この数年間、色々と試行錯誤しながらも作品の中で物凄く遊ばれてますよね。」
山田洋次「僕はいたって真面目ですよ。」
僕「...いい意味でってことです。汗」
山田洋次「他の誰でもない自分だけの器を作り上げたいんです。」

その言葉は作品が如実に物語っています。お話をしてみて感じたのは、やわらかな物腰の中にブレることのない太い信念を通していて、まだまだ真面目に遊んでくれそうです。幾度となく試行錯誤を重ねながら、いつの日か独自の表現の高みへと到達するのかも知れません。

秋晴れの東京アート散策1 山田洋次さんの展示 編_f0351305_10220697.jpeg

【LISA・HAMMOND&FRIENDS】
会期 2017年10月7日(土)~22日(日)
休日 火・水曜
時間 12:00~18:00
場所 GALLERY ST.IVES




さて、次の目的地へ行くとしますか :-)アツカッター








by waninogena2 | 2017-10-09 16:47 | 展示 | Comments(0)

雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編

初老の狼の遠吠えに僕は眼を覚ます。黒に満ちた世界から白に染まる世界へと。スマートフォンの電子音を止めて、32インチのTVに、「お出掛けの際には大きな傘をお持ち下さい。」と教えてもらう。折り畳み傘を鞄から出して、65㎝のビニール傘を片手に電車へと乗り込んだ。

雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_11521762.jpeg

10月6日、西麻布にあるgallery『桃居』さんで初日を迎えた「吉田直嗣 陶展」へ。万を辞しての桃居デビューに行かない理由が見つかりません。

雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18410552.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18415065.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18423638.jpeg

静寂に包まれた空間、白と黒の神妙な駆け引き、さながら陣取り合戦の様相を呈していました。ピンと張り詰めながらもどこか温もりのある空気に選ぶ側も真剣そのものです。

雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18432028.jpeg

「吉田直嗣」さんが近年自らに課しているテーマが「圧縮」です。

雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18442011.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18450911.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18445075.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18453568.jpeg

シンプルな作品は、ややもすると冷たい印象を与えてしまいます。余分な物の一切を削ぎ落とす行為は、凹凸の無い直線と曲線の極地に立つことを意味します。陰影のないのっぺりとした作品が温もりを失うのは当然です。

雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18464541.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18470361.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18480815.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18475025.jpeg

「削ぎ落とすことはデザイナーの仕事であって、作家の仕事だとは思いません。手や心のぶれを出来うる限り無にして、凹凸を消す作業が僕にとっての圧縮なのです。今回は仕上がりのクオリティも含めて細かい調整をしています。パッと見いつもと変わりが無くても大事なことでした。人の手で、直線や曲線を表現することに意味があるのです。」

圧縮をそのように訳されていることに興味を持ちました。

雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18490212.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18494439.jpeg

シャープペンシルを使って定規で引いた直線と、鉛筆を使ってフリーハンドで引いた直線の違いを思い浮かべてみるとどうでしょう。より温もりを感じるのがどちらかは言わずもがなです。

雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18510191.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18513175.jpeg

精緻なフォルムが魅力の吉田直嗣さんにあっても、機械的で完全な直線や曲線を挽くことは出来ません。不完全だからこその温もりがとても心地好いのです。

雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18492545.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_18503151.jpeg

洗練さた精緻なフォルムの中に土着的なエッセンスが含まれていることが最大の魅力です。一部の作品では、轆轤の終わり目に抑制された力を一気に開放して、抑揚を持たせた部分のしなやかさも表現されています。

飄々としながらも一貫した信念のもと、これからも素敵な作品を紹介してくれることでしょう。

雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_21290572.jpeg

【吉田直嗣 陶展】
会期 2017年10月6日(金) → 10月10日(火)
時間 AM11:00 → PM7:00 (最終日はPM5:00閉場)
休日 会期中無休
場所 桃居

雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_21123614.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_21135297.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_21141337.jpeg
雨に打たれて東京アート散策 吉田直嗣さんの展示 編_f0351305_21142982.jpeg

陶器の黒と磁器の白を一つずつ持ち帰りました :-)ヤボッタサガカッコイイ



しとしとと落ちてきた七つ下がりの雨の空に、傘を開いて次なるgallery『うつわ楓』さんへ。





by waninogena2 | 2017-10-07 11:48 | 展示 | Comments(0)


文京区千駄木にある現代作家のうつわのギャラリー 箒星+g のブログ。目に、手のひらに、そして気持ちに。日々の生活の中にある心地好いモノ達。


by houkivoshi

プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

カテゴリ

全体
うつわ
旅行と散歩
オブジェ
展示
展示
うつわ
旅行と散歩
未分類

以前の記事

2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月

お気に入りブログ

最新のコメント

モリスゾイさんでたどりつ..
by おかのむぎ at 11:48

メモ帳

最新のトラックバック

ライフログ

検索

その他のジャンル

ブログパーツ

最新の記事

すずきたもつ 陶展 - 後記 -
at 2019-12-29 19:26
すずきたもつ 陶展 3 - ..
at 2019-12-20 16:05
すずきたもつ 陶展 2 - ..
at 2019-12-18 14:51
すずきたもつ陶展 1 - 僕..
at 2019-12-17 15:50
すずきたもつ 陶展 - 前記 -
at 2019-12-11 09:41

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

陶芸
アート・デザイン

画像一覧